[シドニー 24日 ロイター] - オーストラリア当局によると、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した国内の成人が24日、50%を超えた。当局は感染対策である行動規制の緩和を視野に国民のワクチン接種を加速させている。

オーストラリアは感染力の強い変異株デルタの流行による感染第3波に見舞われ、2大都市シドニーとメルボルン、首都キャンベラがロックダウン(都市封鎖)下にあり、人口の半分近くが規制の影響を受けている。

メルボルンではこうした厳しい規制などに反対するデモが数日続いており、現地メディアによると、24日には数人の逮捕者が出た。

メルボルンのあるビクトリア州ではこの日、新たに733人の感染者が報告された。前日に記録した過去最多の766人を下回ったものの、過去2番目の多さとなった。ほとんどがメルボルンで確認された。死者は1人増えた。

ビクトリア州と、シドニーのあるニューサウスウェールズ(NSW)州は16歳以上のワクチン接種比率が70%に達する見通しの来月に規制を緩和する方針を示している。NSW州の比率は現時点で57%で、全国平均の50.1%を上回る。国内では過去7日間に200万回分のワクチンが投与された。

今回の感染拡大局面で震源地となったNSW州では新規感染者が1043人と前日の1063人から減少。感染拡大がピークを打った可能性が示されている。

同州のケリー・チャント主席医務官はシドニーでの記者会見で、「喜ばしい減少が見られている。今後、数日から数週間のうちにさらに減っていくことを期待する」と述べた。

ただ、同州の当局者らは感染者が急増し医療体制が逼迫する事態を避けるため、規制緩和は慎重かつ緩やかに行うとしている。