テスラのバッテリー生産拠点「Megafactory」がカリフォルニアで着工
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なぜギガファクトリーからスケールダウンしたのかと思いましたが、定置用(ESS)蓄電池のMegaPack専用工場としての「メガファクトリー」なんですね。
MegaPackはコンテナサイズで1基3MWhの電池容量を持つ13トンの代物です。先日オーストラリアで火災を起こしていました。2022年には千歳バッテリーパワーパークにメガパックを導入することも発表されてます。
https://newspicks.com/news/6065849
オーストラリアのMegaPackは分かりませんが(恐らくあのLGES製NCM)、MegaPackは今後LFPが主流になるはず。サプライヤーはCATLやBYD、国軒高科といった中国バッテリーメーカーです。2022年にはLFP主要特許が切れることも有り、SVOLTなどが北米でLFPを生産することになるかもしれません。
どちらにしてもテスラのMegaPackの動きは、
①定置用蓄電池用途における三元系正極材から鉄系正極材へのシフト
②大量のセルを制御するBMSと、電力を融通するソフトウェア領域での競争
③同一組成かつ円筒型セルの多用途展開の終了
といったことが伺えます。
③は元々の狙いがリチウムイオン電池の大量生産・活用で、言わば電池セルの共通化によるコストダウンでした。しかしLFPの方が三元系よりも価格が安いことも有り、EVで採用されている三元系に対して、ESSはLFPを採用する流れが確定的です。ESSならば重くても問題無いですから。
そして②のソフトウェアによる大量のセルとMegaPackの同期・自律制御が、電力向けESSでは競争優位に繋がります。ESSのインテグレーターはテスラ以外にも数社存在するのですが、需要や決め手が無くリーダー企業は無いと言って良いでしょう。
あとはMegaPackの生産立地をどうするか。3MWhもの容量はコンテナサイズで詰め込みやすいとは言え、船舶輸送時にひとたび火災が起きれば大変なことに。そのため需要地近くで生産することが望ましく、特許の問題がクリアになれば世界各地でLFPシフトが進む可能性も出て来ます。
そんな中、来月APBの全樹脂電池の量産が福井県で始まります。まだ大規模スケールのESSを組むまでには至っていないですが、コスト競争力は十分あると思うので大型契約締結のニュースが待ち望まれております。