[オスロ 23日 ロイター] - ノルウェーの中央銀行は23日、政策金利を予想通りゼロ%から0.25%に引き上げ、今後も追加利上げを行う方針を示した。

ロイターのエコノミスト調査でも全員が0.25%ポイントの利上げを予想していた。

中銀のオルセン総裁は声明で、「金融政策委員会の現時点での見通しとリスクバランスの評価に基づき、政策金利は12月にさらに引き上げられる可能性が高い」と述べた。

政策委は、2022年末までにさらに4回の利上げを行い1.25%にするとの見通しの可能性が一段と高まったと指摘した。

総裁は会見で「国内経済は力強く回復している。政策金利の段階的な正常化を始める時期だ」と述べた。

通貨クローネは対ユーロで発表前の10.1031クローネから1025GMT(日本時間午後7時25分)には10.0830クローネまで上昇した。

中銀は新型コロナウィルス禍への対応で2020年に3回利下げ、住宅価格の上昇につながった。過去数カ月で政府は多くのロックダウン規制を解除、失業率は予想以上に低下していた。

ノルデア・マーケッツは顧客向けのメモで、今回の発表は、金融政策のタカ派への一段の傾きを示すと指摘した。

中銀は、最近の電気料金の上昇は家計の可処分所得を減少させる可能性があるが、貯蓄率が高いため負担を軽減するとの見方を示した。

DNBマーケッツのチーフエコノミストは、「ノルウェー経済は力強く回復しており(利上げは)妥当だ」とし、1年半後の経済成長と稼働率を見据えた長期的な展望によるものと指摘。

その上で「この冬のエネルギー価格が極端に高ければ、おそらく(利上げ)ペースを少し遅らる必要があるが、これは最悪シナリオとなる」との見方を示した。

オルセン総裁は、冬季の電力料金が先物が織り込む水準から大幅に上昇した場合の対応についてロイターに対し、一般的な価格水準は中銀の想定内としたが、金利見通しに影響する価格上昇度合いについてはコメントしなかった。

中銀はまた、金融システムの信頼性を高めるため銀行の資産に対する補完的資本バッファー比率を1.5%から2.0%に引き上げた。いずれ2.5%に引き上げるという。一方で融資への資本比率は引き下げた。

カウンターシクリカルな資本バッファー規制は今月、財務省から中銀に移管された。