[ジャカルタ 21日 ロイター] - インドネシア中銀は21日、主要政策金利の7日物リバースレポ金利を最低水準の3.50%に据え置いた。新型コロナウイルス禍からの景気回復を支援する。

据え置きは7回連続。ロイター調査ではアナリスト25人全員が据え置きを予想していた。

預金ファシリティー金利と貸出ファシリティー金利も、それぞれ2.75%、4.25%に据え置いた。

中銀は、新型コロナ流行に伴う制限措置の最近の緩和を受けて国内の経済活動が上向いたとする一方、今年の成長率目標(3.5─4.3%)を据え置いた。

ペリー・ワルジヨ総裁はオンライン記者会見で「低インフレ下で経済成長支援に取り組む中、今回の決定は外為相場の安定を維持する必要性に沿うものだ」と述べた。また、中銀の政策を「成長寄り」と表現した。

ルピアは金融政策決定の発表を受け0.04%高。

総裁は米連邦準備理事会(FRB)について、テーパリング(量的緩和の縮小)が11月に始まり、2022年第3・四半期に利上げするとの見通しを示した。従来見通しよりも前倒しされた。

ただ、インドネシアは2013年のテーパータントラム(量的緩和縮小に伴う市場の混乱)ほどの影響は受けないと強調。ルピアは当時、対ドルで20%以上値を下げた。

また、中国企業のクレジットデフォルト(債務不履行)リスクがグローバルな金融不透明感のもう1つの要素とも指摘した。

一方で総裁はルピア相場について、景気見通しが明るくなり、資本流入が続いているほか、インドネシアの対外バランスが改善する中、「上昇もしくは少なくとも安定を維持する傾向」にあると指摘した。

ANZのアナリストはノートで、「インドネシアが今回のテーパリングを乗り切る上ではるかに良いポジションにあることにわれわれは同意する」とし、経常赤字が縮小していることや、このところの大幅な貿易黒字に言及。「インドネシアの対外ポジションは今やはるかに力強くなっており、これはインドネシア中銀が利上げをしなければならない緊急性を弱めている」とした。

中銀は新型コロナの流行以降、計150ベーシスポイント(bp)の利下げを実施。国債引き受けも含め、量的緩和策も打ち出している。