[東京 21日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日のNY市場終盤(109.39/40円)に比べて小幅にドル高/円安の109.52円付近での推移だった。

中国恒大集団の過剰債務問題を巡る警戒感から日経平均は大幅安となったが、為替市場への影響は限定的だった。ドル/円はFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えたポジション調整や国内実需勢のドル買いも流入し、小幅に上昇した。

市場関係者からは、引き続き中国恒大問題には警戒感が必要との指摘が聞かれる一方、現時点では世界的な金融危機に発展する可能性は低いとの見方が示された。

三井住友ⅮSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏は「世界的に証券化商品が散らばり、どこの銀行が負債を抱えているのか分からないという状況ではないため、リーマン・ショックの時とは問題の構造が異なる」と話す。

今週に多くの社債の利払い期日を控え、「スケジュール通りに支払いが進むかがポイントになる」(市川氏)といい、中国当局から何か対応策が出てくるか見極めたいとの指摘もあった。

また、明日は米国でFOMCの結果発表を控えており、市場では年内のテーパリング(量的緩和の段階的縮小)開始に向けて準備を進めるという方向性が示されるのではないか、との意見が聞かれた。

ただ、「中国恒大問題など状況が不安定で、雇用統計も市場予想を下回る内容だったので、アグレッシブな引き締め方向にはならないとみている」(シティグループ証券・チーフFXストラテジスト、高島修氏)との指摘もあった。

ドル/円      ユーロ/ドル    ユーロ/円

午後3時現在 109.50/52 1.1732/36 128.49/53

午前9時現在 109.42/44 1.1726/30 128.32/36

NY午後5時 109.39/40 1.1725/29 128.26/30