(ブルームバーグ): 中国では今後10年で5兆3000億ドル(約580兆円)規模と見込まれる個人消費ブームを女性が主にけん引することになるとUBSグループは予想している。女性の所得が伸びていることが背景だ。

UBSグローバル・リサーチの大中華圏消費者セクター責任者クリスティン・ペン氏は10日のリポートで、2030年末までの消費拡大は80%が女性の所得増加によるものになるとし、「中国の消費拡大には中国人女性が最も影響を与える」との見方を示した。

「過去20年の中国人女性の教育における大きな進歩が形となり、社会的立場を向上させると見込んでいる。特に職場での地位だ」と指摘した。

今後10年に見込まれる家計消費の伸びは、中国が30年までに世界の消費拡大の約27%に寄与することを意味するとUBSは想定。米国の19%を上回るとしている。

女性が豊かになることと単身世帯の割合が増えることで、中国の消費構造が変化する可能性があるともみており、ペットや健康食品、ビールといった分野への支出が他の伝統的な消費者セクターより多くなるという。「高級品や化粧品、スポーツウエア、ビール、自動車、旅行、宿泊、レジャーの分野で国際的な企業に恩恵をもたらすだろう」とペン氏は分析した。

一方で、女性の教育水準向上が消費の伸びに悪影響を与え得ることも調査で判明したとし、女性がより多くの所得を投資に回す傾向にあることを示唆した。

原題:Chinese Women to Drive $5.3 Trillion Consumer Boom, UBS Says (1)(抜粋)

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