[9日 ロイター] - 米国の複数の米航空会社は9日、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染急拡大により、コロナワクチン接種開始後の旅行回復が鈍化して航空券販売が減速する恐れがあると警告し、売上高予想を下方修正した。

航空世界最大手のアメリカン航空は第3・四半期の売上高が、2019年の同時期より約24―28%減るとの見通しを示した。同社は従来、20%減少すると予想していた。

同社は8月に予約が低調となったのはデルタ変異株の感染拡大が原因とし、「9月に入っても低水準で推移している。近距離旅行の純予約数の伸びが鈍化した」と説明した。

航空各社は、出張利用の激減や国際線の欠航による打撃からの航空需要の強い回復を期待していた。しかし、デルタ変異株の感染拡大が水を差した。

米運輸保安局(TSA)は今月に入り、8月31日に米国の空港でセキュリティーチェックを受けた利用者数が134万5000人となり、1日の利用者数として5月11日以来の低水準になったと発表した。

ユナイテッド航空ホールディングスは第3・四半期の売上高が19年比で33%減ると予想。販売座席数も少なくとも28%減ると見込み、減少幅は従来予想の26%を上回る。

デルタ航空は第3・四半期の調整後売上高が予想の下限になるとみている。ジェットブルー航空は第3・四半期の売上高が6―9%減るとの見通しを示した。従来予想は4―9%減だった。

サウスウエスト航空は行楽客の予約の低迷が9月、10月にも続いていると警告し、第3・四半期に損失を計上する可能性があると公表した。

しかし、航空各社はホリデーシーズンの需要回復を慎重ながらも楽観視している。ジェットブルー航空はホリデーシーズンのピーク時の行楽需要が「比較的良くなるだろう」と予想する。

デルタ航空は直近10日間の予約動向は安定しており、再び回復すると見込んでいる。