[香港 8日 ロイター] - 香港警察は8日、中国の民主化運動が武力鎮圧された1989年の天安門事件の追悼集会を主催してきた民主派団体の幹部、鄒幸トウ氏ら4人を逮捕した。

鄒氏は弁護士で、香港市民愛国民主運動支援連合会(支連会)の副主席。目撃者によると、同氏は香港中心部にある自身の事務所で逮捕された。

同氏は数時間後に、国家安全維持法(国安法)の下で政権転覆の共謀罪で起訴された民主派政治家、何桂藍氏の保釈聴聞会に弁護人として出席する予定だった。

香港警察は8月に支連会に対し、メンバーや財務、活動内容に関する情報を9月7日までに提出するよう求める書簡を送っていた。

支連会が報道関係者に提供した書簡の写しによると、警察は支連会を「外国勢力の代理人」と非難し、期限までに情報を提供しなければ、10万香港ドルの罰金と禁錮6カ月の刑を科す可能性があるとしていた。

鄒氏は7日、情報を提供することはないと報告するため警察本部を訪れる際、メディアに対し「引き続き抵抗する必要があり、早急かつ容易に理不尽な権力に屈してはならないと香港人に伝えたい」と述べていた。

香港警察の国家安全部門は7日遅くに出した声明で、ある団体が情報提供を拒否する意向を公に示したと指摘。具体的な団体名は明らかにしなかったが、「警察はこうした行為を厳しく非難する」としていた。

同部門は、捜査を進めており、さらに逮捕者が出る可能性を排除しないと表明した。

支連会を率いる何俊仁氏と李卓人氏は、2019年の反政府デモに関与した罪で既に服役中だ。