2021/9/8

【松石禎己】管理職には「陰徳」が重要だ

niwa no niwa エディター&ライター
自分の肩書を捨てると、また新しい景色が見えてくる。航空会社の社長を退任し、靴の汚れ落としのボランティアに転身した男がいる。

2020年6月にスターフライヤーの社長を退任した松石禎己氏は、今年6月に顧問を退いてから北九州空港で一人、靴の汚れ落としサービスを始めた。

松石氏はなぜ、靴を磨くのか。航空会社の「再建屋」と呼ばれた男の半生から人生の哲学を学ぶ。

整備職からキャリアをスタート

私は子どものころ、パイロットになりたいと思っていました。男の子の憧れの職業でしたし、パイロットの叔父の話に興味をもっていたところもあります。
ただ、高校で視力が悪くなってしまい、当時は裸眼や矯正視力に一定の条件があったため、パイロットの道は諦めました。
それでも航空関係に携わりたいと思い、九州大学工学部の航空工学科で学び、全日本空輸(ANA)に入社しました。