[上海 2日 ロイター] - 中国の王毅国務委員兼外相は1日、バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使とビデオ通話形式で会談し、中米間の政治的緊張が両国の気候変動対策における協力を損ねる恐れがあるとの考えを示した。

中国外務省が発表した声明によると、王氏は会談で気候変動対策における両国の協力は「オアシス」だと述べた。その上で「ただ、オアシスのまわりは砂漠で、オアシスはすぐに砂漠化してしまう」と伝えた。

さらに「中国と米国の気候変動問題における協力は、両国関係の広範な環境と切り離すことはできない」と語った。

中国国営中央テレビ(CCTV)によると王氏は「われわれは誠意を示した」と強調し、「あなたと会談した人は2週間の隔離措置が義務付けられるが、米国との相互利益に関する協力を話し合うためならわれわれはその代償を払うことを惜しまない」と述べた。

国務省報道官によると、会談でケリー氏は、米国は気候変動危機に対応するため引き続き他国と協力することに取り組んでいると伝え、中国に対して温暖化ガスの排出削減に向けた一段の取り組みを促した。

ケリー氏は、中国の解振華気候問題担当特使と協議するため天津市を訪れている。両氏は4月にも上海で会談した。