[フランクフルト 1日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのワイトマン独連銀総裁は1日、ユーロ圏の物価情勢について、このところ物価を押し上げている一時要因が基調的なものになる可能性があり、ユーロ圏のインフレ率がECB予想を上回るリスクがあるとの見方を示した。

欧州連合(EU)統計局が前日に発表した8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年比3.0%上昇と、10年ぶりの大幅な伸びとなった。

ワイトマン総裁は講演で「現在は上方リスクが優位になっていると考えている」とし、「一時要因がインフレ期待の上昇につながり、賃金の上昇が加速すれば、インフレ率は長期的に顕著に上向く可能性がある」と述べた。

その上で、拡張的な金融政策はなお適切との見方を示しながらも、経済が回復し、インフレが上向く中、ECBはパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の終了に向け準備し始める必要があると語った。

ただ、PEPPは段階的に終了させる必要があるとの考えを示した。