[アンカラ 1日 ロイター] - トルコ統計庁が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年比21.7%増となり、市場予想と一致した。新型コロナウイルス流行に伴う規制で10.4%縮小した前年同期から力強く回復した。

季節・カレンダー調整ベースの前期比では0.9%増だった。

GDP統計を受けて、通貨リラは1ドル=8.32リラ付近から8.29リラまで上昇した。

ただ、経済の急拡大は高インフレにつながることにもなる。3日に発表される8月のインフレ率は7月の18.95%付近にとどまる見込みだ。

ロイター調査では通年の成長率見通しが7.95%となっているが、今回のデータを受けて若干上方修正されるとみられる。

BurumcekciコンサルティングのHaluk Burumcekci氏は「7─8月の先行指標は経済活動が第3・四半期も勢いを維持していることを示した」と指摘。通年の成長率予想を7.7%から9.3%に上方修正した。

第2・四半期の成長は前年比で45.8%増のサービス部門がけん引。工業部門が40.5%増で続き、情報・コミュニケーション部門も25.3%拡大した。

一方、伸びが比較的さえなかったのは不動産部門(3.7%増)、建設部門(3.1%増)、農業部門(2.3%増)だった。

トルコは今年、新型コロナ感染者の増加を受けた4月と5月の厳しいながらも短期間のロックダウン(都市封鎖)を含め、夜間外出禁止令や週末ロックダウン、レストラン閉鎖を再導入。ただ、幅広い経済は総じてこれら措置の影響を受けなかった。措置は6月に解除された。

政府は今年の成長率を5.8%と予測。しかし、エルバン財務相は、第2・四半期の大幅な伸びを受けて8%を上回る可能性があるとの認識を示した。