[31日 ロイター] - アフガニスタンの首都カブールでは31日未明、米軍の撤退が完了したことを受けて、イスラム主義組織タリバンが空港を掌握、祝砲を撃つ姿が見られた。

タリバンが提供したビデオ映像には、最後の米兵が真夜中直前に撤退した後、空港に入るタリバン戦闘員の様子が収められている。

アルジャジーラTVによると、タリバンの広報官は「最後の米兵がカブールの空港を後にした。わが国は完全な独立を手に入れた」と表明した。

米軍は、最後の米兵として最終退避便に乗り込む第82空挺師団のクリス・ドナヒュー少将の姿を映した暗視カメラの画像を公開。

米国と同盟国は、過去2週間で12万3000人以上をカブールから退避させたが、西側諸国に協力した数万人がまだ現地に取り残されている。

マッケンジー米中央軍司令官によると、ロス・ウィルソン駐アフガニスタン代理大使も、最終退避便でカブールを後にした。

同司令官は会見で「この撤退は多くの悲痛を伴った。退避させたかった全員の出国はできなかった。だが、あと10日駐留したとしても全員は退避させられなかっただろう」と発言。

米軍は撤退に際し、70機以上の航空機と数十台の装甲車両を破壊。過激派組織「イスラム国」(IS)が30日に発射したロケット弾を迎撃した防空システムも無力化した。

タリバンは今後、戦争で疲弊した経済を再建する必要に迫られる。国連によると、地方部の住民は最悪の人道状況に直面している。

カブールのタリバン関係者は、市民には外国の影響をすべて排除し、イスラム式の生活を送ってほしいと発言。

「われわれの文化は毒されてしまった。食べ物にさえ、ロシア人や米国人の影響が至るところで見られる。この点を認識し、必要な変化を起こす必要がある。時間はかかるが、実現する」と述べた。