2021/8/30

【解説】日本にも超重要。アメリカの「テーパリング」を知る

NewsPicks 金融ジャーナリスト
日本経済だけでなく、私たちのお金の価値さえも上下させる「大きな変化」がアメリカで起こっている。
アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は8月27日、国債など資産の購入を縮小する「テーパリング」を年内にも始めることを表明した。
FRBは、コロナショック以降、国債の購入、政策金利の引き下げといった緩和的な金融政策を積極的に行ってきた。
しかし、こうした金融政策は、あくまでも緊急対策。アメリカ経済の景気が戻ろうとしている今、FRBとしてはテーパリングという金融政策の「正常化」をしなければならず、今回の表明で実施に向けて一歩前進した。
そのキーマンとなるパウエル議長の発言を中心に、私たちの生活にも超重要な「アメリカの金融政策」の展望について、わかりやすく読み解いていく。
INDEX
  • テーパリング開始は「年内も」
  • 「不均一な経済」とは
  • 失業者の復帰に「期待」
  • 深刻化するデルタ株リスク
  • 新興国への懸念も

テーパリング開始は「年内も」

今回、重要発言が出たのは、ジャクソンホール会議でのこと。