[パリ 27日 ロイター] - フランス国立統計経済研究所(INSEE)が発表した8月の消費者信頼感指数は99と、前月の100から低下した。

新型コロナウイルスの感染拡大や、飲食店などを利用する際にワクチン接種証明の提示が義務化されたにもかかわらず、小幅な低下にとどまった。

ロイターがまとめた市場予想は100だった。

同指数は6月に新型コロナ流行後で最高となる102に上昇。ワクチン接種の加速や行動制限の緩和が寄与した。

ただ、フランスはその後、デルタ株の流行で感染第4波に見舞われており、政府は今月、飲食店・列車・大型ショッピングモールを利用する人にワクチン接種証明の提示を義務付けた。

貯蓄意欲は3カ月ぶりに高まったが、大型商品を購入する良い機会だと回答した人は、前月から横ばいで、長期平均を上回った。

失業に対する不安も、前月から変わらず。同国では人手不足で求人広告が増えている。

今後数カ月で物価が上昇するとの回答は、やや増加した。企業はサプライチェーンの目詰まりで値上げを余儀なくされている。

ワクチン接種証明の提示義務化を巡っては、全土で週末に抗議デモが起きているが、消費者信頼感指数は小幅な低下にとどまっており、少なくとも現時点では、経済活動への影響が限定的なことが浮き彫りとなった。

フランス銀行(中央銀行)のビルロワドガロー総裁は26日、中銀が2021年の同国経済成長率の予測を来月、上方修正する可能性があると述べた。デルタ株感染拡大の欧州への影響は限定的になるとの見方を示した。