Exposure to sunlight enhances romantic passion in humans

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• 遠藤 拓己

  JR東日本文化創造財団

  ・2021年08月27日

  太陽光による紫外線を浴びると、人間の恋愛感情が高まることが発見された。
  
  テルアビブ大学の研究者らによると、紫外線B型（UVB）を浴びた男女の恋愛感情が高まるという明確な結果が得られたという。この研究により、日光を浴びることが、人間の性ホルモンの分泌を司る内分泌系の調節に影響を与えることが明らかになった。
  
  本研究ではまず、動物モデルを用いてUVB（320〜400ナノメートルの波長の太陽光）を動物に照射した。するとメスのホルモン値が大幅に上昇して卵巣が肥大し、発情期が延長されたほか、オスとメスの間の魅力が高まり、両者が性交渉に応じるようになるなど劇的な効果が得られた。
  
  次に、太陽光を浴びたときにDNAの損傷を識別して色素沈着を活性化することでその悪影響から身を守るp53というタンパク質を皮膚から取り除き、動物モデルでの実験を繰り返した。その結果、p53を除去するとUVB照射による動物の性行動への影響がなくなったことから、研究者らは、観察されたホルモン、生理、行動の変化の原因は皮膚からの放射線照射であり、保護システムが性行動の調節にも関与していることを確信したという。
  
  研究の最終段階では、32人の被験者を対象に、恋愛感情や攻撃性などの行動に関するアンケートを実施した。Tel Aviv Sourasky (Ichilov) Medical CenterとAssuta Medical CenterでUVBフォトセラピーを受けたところ、男女ともに恋愛感情が高まり、特に男性は攻撃性も高まったという。