2021/8/28

【超人】元専業主夫の狩人が足で世界を射貫くまで

2015年12月、ひとりのアーチェリー選手が「最も遠く正確な射程距離」のギネス記録に挑戦し、283.47 m先の的を射貫いた。
世界記録を打ち立てたその男の名は、マット・スタッツマン。
彼には、生まれつき両腕がない。食事や電話など、日常生活におけるすべてのことを、足を使って行なってきた。そしてもちろん、それはアーチェリーも同様だ。
両足を巧みに使い、弦を引き絞り、矢を射る。腕ではなく足を使って、ロンドンパラリンピックで銀メダルを取り、健常者も含めた全米ランキングで8位にランクインしている。
彼がアーチェリー選手として優れた結果を残すようになるまでにどんな困難が降りかかり、いかにしてそれを乗り越えていったのか──。至高のパラアスリート、その胸の内に迫る。

1日8時間の練習を続ける

──まずはアーチェリーをはじめたきっかけについて教えてください。