2021/8/14
【教育テック】ユニコーンの登竜門をくぐったアタマプラスって?
NewsPicks編集部による番組『デューデリだん!』は、NewsPicksの記者たちが、注目の成長企業を取材し、経営トップにインタビューする過程を可視化する企画です。
今夜10時から取り上げる企業は「アタマプラス」。AIを用いた学習システムを提供するエドテックカンパニーです。知名度はまだ高いとは言えませんが、どうやら“次のユニコーン”になる可能性を秘めた企業のようです。
今夜10時から取り上げる企業は「アタマプラス」。AIを用いた学習システムを提供するエドテックカンパニーです。知名度はまだ高いとは言えませんが、どうやら“次のユニコーン”になる可能性を秘めた企業のようです。
INDEX
- 「アタマプラス」とは何者か
- 「次のユニコーン」と期待される理由
- 非上場企業の懐事情をリサーチ
- なぜ、アタマプラスにベットしたのか
- 「AI教育の新星」に弱点は?
- 笑顔の総量を増やしたいんです
「アタマプラス」とは何者か
2017年に創業した「アタマプラス」は、三井物産出身の稲田大輔氏が、仲間と共に創業したエドテックカンパニーです。
創業4年ながら「アタマプラス」が手掛けるAIを活用した学習システム「atama+」は、すでに全国2500以上の塾などに導入されています。
「アタマプラス」公式HPより
AI教材「atama+」とは、AIによって、生徒1人ひとりに違いのある理解度や学習履歴、ミスの傾向などに応じて、世界に一つだけの「自分専用カリキュラム」を提供するというもの。
これまで『デューデリだん!』では、株式市場やビジネスパーソンの間で、比較的、認知度の高い成長企業を取材してきました。
しかし今回、まだ世間の認知度は決して高いとは言えない「アタマプラス」を選んだのには、理由があります。
きっかけは、東京五輪の開幕が迫る7月下旬に発表されたニュースリリースでした。
「アタマプラス」公式HPより
「次のユニコーン」と期待される理由
「アタマプラス」は今年7月21日、資金調達に関して、こんな発表をしました。
atama plus株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:稲田 大輔、以下atama plus)は、シリーズBラウンドで約51億円の資金調達を実施したことをお知らせします。本ラウンドでは、既存投資家であるDCMベンチャーズ、ジャフコ グループに加え、新たにシンガポールのテマセク・ホールディングス傘下のPavilion Capital、米運用会社大手のT. Rowe Priceなどを引受先としています。今回の増資により、2017年4月の創業以降、金融機関からの融資を含む累積調達額は約82億円となりました。(リリースより抜粋)
NewsPicks編集部で、この話題にいち早く反応したのが、初登場となる池田光史編集長と金融担当の呉太淳(オウ・テスン)記者です。
池田編集長は、過去に「アタマプラス」を取材した経験があります。
藤村 「このニュースって、そもそも何がすごいんですか?」
最近、企業のリサーチで、記者顔負けの集中力と閃きを発揮する場面が増えてきたインターン役の藤村聖子さん(本業は役者)の素朴な質問に、池田編集長が答えます。
池田 「未上場で、海外の有名な機関投資家から資金調達した国内企業って、そんなに多くないんですよ。」
メルカリ、freee、Sansan、SmartHR。
「アタマプラス」は創業からわずか4年で、錚々たる顔ぶれの国内ユニコーン企業と同じように「未上場で海外の機関投資家から資金調達する」という道を辿っているのです。
果たして「アタマプラス」は、このまま「次のユニコーン」になるのか。
池田編集長、呉記者、藤村さんの3人は、今回の取材を通して「アタマプラス」の成長可能性を見極めようと意気込みます。
非上場企業の懐事情をリサーチ
番組のデューデリ対象としては「星野リゾート」に続いて、2社目となる非上場企業です。
前回の「星野リゾート」篇では、上場している関連企業の決算発表資料に記載された情報をリサーチの突破口にしましたが、今回は、そのアプローチも難しい状況です。
「ただいま戻りました」
30分遅れで、いつもの部屋にやってきた呉記者が、バッグから取り出したのは「アタマプラス」の貸借対照表(バランスシート)。
株式会社の場合、原則として、非上場でも財務内容を公告することが会社法によって定められています。
そこで呉記者は、国会図書館に赴き、決算公告が掲載されている「官報」から「アタマプラス」の貸借対照表を探し当てたのです。
貸借対照表を見れば、「アタマプラス」の財布の中身が見えてきます。
気になるその中身は、今夜の配信で確かめてください。
呉記者が探し当てた「アタマプラス」の貸借対照表(金額欄は加工しています)
なぜ、アタマプラスにベットしたのか
今回は「アタマプラス」に投資した海外の機関投資家にも、Zoom取材を敢行しました。
7月のリリースに名を連ねた米国の運用会社大手のT. Rowe Price(ティー・ロー・プライス)です。クラウド会計の「freee」にも投資した実績を持ちます。
なぜ、米国大手の運用会社が、創業からわずか4年の日本の非上場企業に投資する判断を下したのか。
「アタマプラス」のこれからにベットした当事者に、かなり踏み込んだ話を聞くことができた池田編集長と呉記者。
稲田代表とのインタビューに向けた準備としても、かなり有意義な取材になったようです。
T Rowe.Price 日本株式運用戦略 ポートフォリオ・マネジャー・Archibald Ciganer氏
「AI教育の新星」に弱点は?
数少ない公開資料をかき集め、専門家への周辺取材などを進める中、3人はWEBに公開されていた「アタマプラス」のテレビCMを見つけます。
このCMを見た池田編集長が、1つの仮説を立てます。
「創業4年でお金のかかるテレビCMを打つってことは、塾に子供を通わせる保護者のAI学習への理解度は、まだまだということなんじゃないかな」
AI教材「atama+」の導入件数に比例して、従業員数も増えている「アタマプラス」。
ピカピカの“AI教育の新星”は、すべてをAIで解決するというドライなスタンスではなく、塾や保護者との対面のコミュニケーションを重視していることが推測できます。
そこで、池田編集長は「アタマプラス」が、AI教材に対する保護者の理解促進を重要な課題と認識しているのではないかと予想します。
稲田代表への質問項目に、盛り込むことを決めました。
笑顔の総量を増やしたいんです
8月初旬の品川区西五反田。「アタマプラス」のオフィスに向かった池田編集長と呉記者。
グリーンの芝生が広がるスペースで稲田大輔代表に向き合う2人は、質問テーマを3つに絞って臨みました。
- 大型資金調達の狙い
- AI学習をどう浸透させているか
- 中長期的な成長に向けて、サービスをどう横展開していくか
「僕は、人々の笑顔の総量を増やすことをやりたいんです」
東大卒で三井物産を経て「アタマプラス」を創業した稲田代表は、自身がやるべきことを模索する過程で、一時はお笑い芸人をやっていたこともあるそうです。
物静かで柔らかい語り口ながら、ミッション実現を追求する純粋性を、両の眼に宿した起業家。
稲田大輔(いなだ・だいすけ)
アタマプラス代表取締役 1981年生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院情報理工学系研究科修了。在学中に東大アントレプレナー道場第1期優秀賞を受賞。三井物産へ入社し、新規事業を立ち上げた後、通算5年間にわたるブラジル駐在、ベネッセブラジル執行役員、海外Edtech投資責任者、三井物産の日本国内教育事業統括等を歴任。2017年4月にアタマプラスを創業。
アタマプラス代表取締役 1981年生まれ。東京大学工学部卒業、同大学院情報理工学系研究科修了。在学中に東大アントレプレナー道場第1期優秀賞を受賞。三井物産へ入社し、新規事業を立ち上げた後、通算5年間にわたるブラジル駐在、ベネッセブラジル執行役員、海外Edtech投資責任者、三井物産の日本国内教育事業統括等を歴任。2017年4月にアタマプラスを創業。
未来のユニコーンを率いるリーダーになるかもしれない稲田代表は、何を語るのでしょうか。
そして、池田編集長と呉記者は「アタマプラス」の成長可能性を見極められるほど、核心に迫れるのか。
配信をぜひご覧ください。
デザイン:黒田早希
執筆:安岡大輔
執筆:安岡大輔
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