[ベルリン 12日 ロイター] - ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスは、傘下の米リーボックを米ブランドライセンス事業大手オーセンティック・ブランズ・グループ(ABG)に最大21億ユーロ(24億6000万ドル)で売却すると発表した。中核ブランドに注力する。

アディダスはナイキに対抗するため、2006年に38億ドルでリーボックを買収したが、同ブランドの業績は振るわず、投資家が繰り返し売却を求めていた。

一方、アディダスは米人気ラッパーのカニエ・ウェストや歌手ビヨンセ、音楽プロデューサー兼歌手ファレル・ウィリアムスらと提携し、自社ブランドでナイキの米市場シェアの切り崩しに成功している。

ABGは発表文書で、リーボックは引き続きボストンに本社を置き、北米、中南米、アジア太平洋、欧州、ロシアでの事業を継続するとし、移行期間中にアディダスと緊密に協力していく方針を示した。

ABGは過去11年以上にわたり、約6000店舗で販売されている30以上のブランドを買収してきた。

過去1年間の業績が好調となった同社は先月、米市場での新規株式公開(IPO)申請も行っている。

アディダスは、今回の売却が今期の業績見通しや今年3月に発表した5カ年戦略の目標に影響を与えることはないと指摘。2022年第1・四半期に売却が完了する見通しで、完了時に21億ユーロの大部分が現金で支払われ、そのほとんどを株主に分配するとした。