東京五輪、天皇陛下はJOCの「誤訳」をさり気なく訂正 開会宣言に垣間見えた元首の器 〈dot.〉
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さすが元在チュニジア大使です。五輪憲章のテキストをフランス語の原文から、しかもジェロンディフ(en+動詞の現在分詞で、主語にとっての理由や条件、主語の行為の同時性などを表す。英語の分詞構文に近い)が使われていないところに注目して、陛下の宣言の和文が正しかったことを示されています。
ちなみに五輪憲章のフランス語原文は以下のとおりです。
Le chef d’État du pays de l’hôte proclamera les Jeux Olympiques ouverts en prononçant l’une des phrases suivantes, selon le cas :
– Lors de l’ouverture des Jeux de l’Olympiade :
«Je proclame ouverts les Jeux de... (nom de l’hôte) célébrant la... (numéro de
l’Olympiade) Olympiade des temps modernes.»
「開催国の国家元首は、次のいずれかのフレーズを、場合に応じて発することで、オリンピック大会の開会を宣言する。
『夏季オリンピック大会の開会時:私は、第◯回近代オリンピアードを祝する◯◯(開催地名)大会の開会を宣言する』」
ここでも「en prononçant 」とジェロンディフが使われていますから、主語である「chef d’État du pays(国家元首)」、東京大会では天皇陛下が定められたフレーズを発声されることによって、オリンピック大会の開会が宣言されることになるのです。
さすがにオリンピック組織委員会に英語やフランス語ができる人が一人もいないことはないでしょうが、外国語を扱う業務における文法の重要性を再確認できる記事でした。
陛下に恥をかかせることになるのか、組織委員会が修正することになるのか、どちらでしょうか。