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[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスのカスパー・ローステッド最高経営責任者(CEO)は5日、東京五輪や各地の大会で一部の選手が新素材を使ったシューズを履いたことで記録を更新した可能性があるとして、公平性を疑問視する声が上がる中、同社はランニングシューズの新技術開発を続けていくと明らかにした。

同CEOは決算発表の記者会見で、「認められるシューズの仕様は規則で極めて明確に定められている」と説明。「誰もが限界を超えようと努力しており、国際オリンピック委員会(IOC)は明確に許容基準を定めている。それこそが何が公正であるかを示す最良の方法だ」と語った。

反発力の高い「ブースト」ソールを使ったアディダスのランニングシューズは、2014年のデニス・キメット選手のマラソン世界記録更新に貢献したとされる。最近の陸上界では、ナイキが厚底シューズ「アルファフライ」の使用選手が増えている。

カーボンプレート内蔵の厚底ランニングシューズや新たなスパイクの登場以来、長年破られなかった記録が次々と塗り替えられ、過去との比較がしにくくなった。

昨年12月にはハーフマラソンで世界初となる57分台を4人の選手が同じレースで記録。優勝したキビウォット・カンディ選手はアディダスのカーボンシューズ「アディオス プロ」を履いていた。

東京五輪では、400メートルハードルの男子と女子のレースでそれぞれ世界記録が更新され、大会直前に更新された世界記録をさらに塗り替えた。他の距離の種目でも国内新記録が連発しており、新シューズが物議を醸している。

ローステッドCEOは、たとえ国際大会で使われない可能性があっても、技術革新のために既存の規制範囲を超えた技術の開発を続けていくと表明した。