[デトロイト 4日 ロイター] - 米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が4日発表した第2・四半期決算は黒字転換し、通年の利益見通しも上方修正した。ただ、市場の期待には届かず、株価は8.9%下落した。

メアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)は決算会見で、半導体不足の影響が今年、そして来年も続くとの見方を示した。

一方、トラックやSUV(スポーツ多目的車)などが年後半以降の業績を支える見込みで、年内から来年にかけて引き続き「力強い価格環境」が予想されると述べた。

第2・四半期の純利益は28億ドル(1株当たり1.90ドル)。前年同期は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による操業停止が響き、8億0600万ドル(同0.56ドル)の損失を計上していた。

特別項目を除いた1株利益は1.97ドル。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の2.23ドルを下回った。

調整後の税・利払い前利益(EBIT)は、過去最高の41億ドル。上期では85億ドルに達した。

通年の調整後EBIT見通しは115億─135億ドルと、従来の100億─110億ドルから引き上げたが、アナリストからは控えめとの指摘が聞かれた。

北米の自動車生産台数は下期に約10万台減少し、コモディティー(商品)関連コストは15億─20億ドル拡大すると予想。さらに「半導体不足を巡る状況は引き続き流動的となり、サプライチェーン(供給網)の問題も続く」との見通しを示した。

バーラCEOによると、米国内の在庫は25日分と極めて少なく、「年内かなりタイトな状況となり、来年も続く見通し」という。

半導体不足のため未完成の状態で在庫となっている車両は6月末時点で14億ドル相当で、通期の業績見通しはこうした在庫を解消できるかに左右されるとした。

また、2025年までに30種類超の電気自動車(EV)を投入するという目標を堅持した。