[ローマ 2日 ロイター] - 東京五輪の陸上男子100メートルで金メダルに輝いたラモントマルチェル・ヤコブス(26、イタリア)は、つらい幼少期を乗り越えたのちに栄光を手にした。

ヤコブスは8月1日の男子100メートルで優勝。五輪の同種目でイタリア人が勝ったのはこれが初めてだった。

これまでほぼ無名だったヤコブスは、イタリア人の母親と米国軍人の父親との間に米国で誕生。両親が幼少期に別れた後、イタリア北部で母親に育てられた。

ヤコブスは父親がイタリア人でないほか、父親がいないことから、他の子どもたちとは違うと常に感じていたとのこと。また、この複雑な幼少期が選手としての不安につながり、失敗の言い訳を探すようになっていたという。

しかし同選手はメンタルコーチの助けのもと、自信を取り戻した。そして1日の決勝ではザーネル・ヒューズ(英国)のフライングによる失格にも動じることなく、9秒80のタイムで優勝を果たした。