[東京 3日 ロイター] - M&A(合併・買収)助言のGCAは3日、ブティック型投資銀行の米フーリハン・ローキーが同社に対してTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買い付け価格は普通株式で1株1380円、期間は4日から9月27日まで。全株式を取得し完全子会社を目指す。GCAはTOBに賛同の意見を表明した。
GCA、米フーリハン・ローキーがTOB 1株1380円
Reuters
2021/08/03
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1. GCAはもともと日本オリジンで個人的にはイン・アウト案件を手がけるイメージが強い。そのGCAがアウト・インでMAされるのは印象的。
2. 会社側は提案に賛同。上場以来の株価を見れば上値の節目は2000円。GCAは平時であれば60-70円くらいの年間一株利益を着実に出せると思ううえ、本件後のシナジーを考えると1380円というTOB価格は低いのかもしれない。
3. 独立系のMA関連事業者は、いま規模とグローバルリーチが必須だというのがGCAの経営判断だと推察しました。
注目のコメント
外国企業による日本企業の買収というと「外資の軍門に下った」的な見方をする人もいるかもしれません。
経営計画をつくる過程で「グローバル市場を攻めよう」となったとき、「じゃあ、買収しよう!」とはなっても「どこかのグループに入ろう」という道を選ぶ日本企業は少ないものです。
でも、本来、買ってもらうというオプションがあってもいいと思うんですね。2002年に中外製薬はロシュグループ入りを決断しましたが、当時は衝撃を持って受け止められました。
別に経営不振になったわけではないですし、乗っ取られたわけでもありません。実を取って中外製薬のグローバル企業の仲間入りを果たしたのでした。
中外製薬がいかに英断だったかは、中外の自主性を尊重した経営体制を維持しつつもロシュとの提携の果実として、売上高が5倍、営業利益が10倍以上に成長し、売上高4倍の武田薬品よりも利益額では上回り、武田より高い社員の年収、時価総額などの結果が物語っています。
その英断をされた永山さんが今月の日経新聞朝刊「私の履歴書」に登場しています。
GCAも飛躍できるでしょう。ちょっと驚きましたが、本格的なクロスボーダー案件に対応するためなのでしょう。
日本の大企業のM&Aにもプラス効果があるかと。
「傘下入り」みたいな表現になりがちですが、GCAのみなさんからしたらそういう感覚でもないように想像します。