[リマ 30日 ロイター] - ペルーのカスティジョ新大統領は30日遅く、穏健派のエコノミスト、ペドロ・フランケ氏を財務相に指名した。マルクス主義を信奉する与党「自由ペルー」のメンバーが先に複数の閣僚ポストに任命されたのを受けて高まった市場の警戒感を和らげる狙いがあるとみられる。

カスティジョ氏は前日、同党所属の強硬左派議員、グイド・ベリド氏を首相に指名し、穏健派の閣僚の登用を期待していた投資家に冷や水を浴びせた格好となった。このため、同国の債券と通貨ソルに売りが膨らんだ。

ベリド首相はツイッターでフランケ氏への「全面支持」を表明し、「国のために力を合わせる」とした。

フランケ氏はカスティジョ氏の側近で、かねてから財務相への指名が有力視されていた。前日に同氏が、閣僚の就任宣誓式の数分前にその場を離れたため、人事を巡る混乱が鮮明となり、フランケ氏の財務相指名を期待していた投資家に失望感が広がった。

財務相を除く閣僚は大半が、29日に宣誓式を済ませた。

30日の市場はカスティジョ氏が財務相人事を発表するのを前に警戒感が強まり、ソルは過去最安値を更新し、この日の下落率は過去7年間で最大となった。主要株価指数は一時6%近く急落し、終値では11月以来の安値を付けた。