[東京 31日 ロイター] - 競泳男子の米国代表ライアン・マーフィーがライバル選手によるドーピングを示唆する発言をしたことを受け、米国反ドーピング機関(USADA)は31日、同選手を擁護した。

マーフィーは2016年リオデジャネイロ五輪では、100メートル背泳ぎと200メートル背泳ぎで優勝。しかし東京五輪では両種目ともにロシアの選手に敗れ、連覇を逃した。

7月30日に行われた200メートル背泳ぎ決勝では、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のエフゲニー・リロフが五輪新記録で優勝。2位に終わったマーフィーは、ドーピングがレース結果に影響を及ぼしたと示唆したが、その後、ロシア人ライバルたちに向けた発言ではなかったと説明した。

米国側からの批判について、ROCが「単なる負け惜しみにすぎない」とツイート。これに対し、USADAのトップ、トラビス・タイガート氏はロイターへのメールで怒りをあらわにした。

同氏は「ロシアと同国のスポーツ当局者に暗雲が立ち込めたのは自分たちのせい。残念ながら、そのプロセスの中で選手たちは嵐の中へと放り出された」とロシア側をけん制。

「彼らは今でもうそをつき、ルールと真実への欺瞞(ぎまん)と露骨な軽視に対して勇気を持って立ち上がる者を拒み、攻撃し続けている」とロシア側の対応を痛烈に批判した。