[香港 30日 ロイター] - 香港の裁判所は30日、国家安全維持法(国安法)違反の罪で最初に訴追された元ウエイターのTong Ying-kit被告(24)にテロリスト行為と国家分裂を扇動した罪で禁固9年を言い渡した。

Tong被告は昨年、「香港を開放せよ」などと書いた旗を持って治安警官に向けて二輪車で突っ込み、逮捕・起訴された。

同被告の弁護士は記者団に、控訴するとだけ述べた。

裁判所は27日、旗に書かれたスローガンが「国家分裂の扇動が可能」との見解を示していた。

アムネスティ・インターナショナルなどの人権団体は、Tong被告の訴追は言論の自由を新たに制限するもので、香港基本法の伝統に反すると批判した。

Tong被告は、国安法の規定により保釈が認められなかった。裁判は陪審なしで行われた。陪審本人および親族の安全にリスクがあるとの理由だった。