2021/7/31

五輪サーフィン、AIの波に乗る

The Wall Street Journal

機械学習やビッグデータで潮流変わる新競技

東京五輪サーフィン競技に出場した南アフリカ女子代表のビアンカ・ブイテンダグ選手は、試合前に風や波のコンディションを測るため、アプリやウェブサイトを活用している。

ただ、サーフィンがハイテクスポーツだとは考えておらず、ほとんどは天候を見極めるためだという。ブイテンダグ選手は今週、「それぐらいなものだ」と語っていた。

サーフィンで初の五輪金メダルを懸けて27日、ブイテンダグ選手と対戦した米国代表のカリッサ・ムーア選手は、異なるアプローチを取っている。

パフォーマンス分析、ウエーブプール、科学を駆使しているのだ。

ブイテンダグ選手に6.5ポイント近い差をつけて金メダルを獲得したムーア選手は、人工波での競技に参加し、睡眠やバイタルサインを記録するウエアラブルリングなどのテクノロジーを使用して、コーチがトレーニングとリカバリーを微調整できるようにしている。

こうした異なるアプローチは、サーフィン界で長らく続く対立の核心に関わるものだ。

それは、精神的で自然主義的な波乗りと、近代的でテクノロジーを駆使するアスリートというイメージの対立である。

コメント

選択しているユーザー

• 佐藤 元則

  NCB Lab. 代表

  ・2021年07月31日

  ここまでAI活用が進んでいるとは、驚きです。衛星画像や極氷、海底の形状、風のパターン、ブイの測定値など、いろんなデータソースを取り込んでいる。
  
  AIが導き出す波の予測やそれにあわせてどんな体勢でのぞめばいいかというアウトプットの差がメダルの色を決める要因のひとつとなります。しかし、アウトプット通りに演技できる身体能力がなければそれもかないません。
  
  どれだけ波に乗ってきたか、体を鍛えたか、直感を鍛えたか、に加えてAIの精度の高さが勝敗を決します。

注目のコメント

• 小西 夕香

  昨日東京五輪2021の特集でスポーツ科学に関する記事を書きましたが、サーフィンもデータ分析が重要視されています。最新技術によって選手のコンディションだけでなく、波の予測まで可能になりました。データを駆使した選手に、自然主義的な選手が将来立ち向かえなくなるのか、読んでいて心がざわつきました。
• 北川 拓也

  経営者

  ・2021年08月01日

  プロスポーツでは尋常じゃない時間を、一つの競技に費やす。こういった時間と労力を、ある一定の人たちがかける覚悟のある分野はデータテクノロジーの進化が凄まじくなる。これからは浅く広いデータよりも深く狭いデータの生成が激しく進化する時代に突入する。まだとても時間がかかるデータ加工を辛抱強くやれるかが肝。