[ストックホルム/パリ 29日 ロイター] - フランス・イタリア系の半導体メーカー、STマイクロエレクトロニクスは29日、2021年通年の売上高と投資額の見通しを引き上げた。この日発表した第2・四半期決算は、自動車・スマートフォンメーカーからの需要増加を背景に利益が拡大した。同社の工場は需要への対応に追われる状況が続いている。

世界的な半導体不足を受け、独フォルクスワーゲン(VW)や米アップルは製品の生産に影響が出ると警告している。

アップルはSTマイクロの主要顧客の1社。同社の顧客には米電気自動車(EV)大手テスラや大方の主要自動車メーカーが含まれる。

STマイクロのジャン・マーク・シェリー最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で「第2・四半期も強い需要への対応が続いた。世界のサプライチェーンがフル稼働している」と指摘。こうした困難な状況を乗り切るため、あらゆる顧客と引き続き密接に協力していると説明した。

STマイクロはEV用バッテリーの充電容量や充電が必要になる時間の改善を目的とした炭化ケイ素チップに注力している。

これらのチップについては25年までに10億ドルの売り上げを目標にしており、21年の投資計画を20年の12億8000万ドルから21億ドルに拡大した。

通年の売上高目標も約125億ドルと、従来の121億ドルから引き上げた。

第2・四半期の純売上高は29億9000万ドルで、前年同期の20億9000万ドルから増加。リフィニティブのIBESデータによるアナリスト予想(28億9000万ドル)を上回った。