[ヘルシンキ/ストックホルム 29日 ロイター] - フィンランドの通信機器大手ノキアは29日、通期の業績予想を上方修正した。第2・四半期の営業利益が予想を上回ったことが背景。

事業が急ピッチで改善しており、序盤の株式市場では、同社株が7%値上がりしている。

同社では1年前にペッカ・ルントマルク氏が最高経営責任者(CEO)に就任。業務の変更や、研究開発への投資拡大、同社に有利な地政学情勢を背景に、第5世代(5G)通信網で受注合戦を繰り広げており、最大のライバルであるスウェーデンのエリクソンをリードしている。

同CEOは電話会議で「5Gを巡る当社の状況は明らかに改善した。顧客を取り戻している」とし、見通しが上向いていることを改めて示した。

ノキアは先週、中国の5G設備の入札で受注業者に選ばれ、同国で初めて5G契約を結んだ。中国の別の通信会社2社からも受注を獲得するとみられている。

ただ、同社は昨年、米通信大手ベライゾンから66億ドルの受注を逃しており、同CEOは、これが年内の業績に悪影響を及ぼすと指摘。

世界的な半導体不足の影響も受けており、同CEOはロイターとのインタビューで「今年下半期、また来年に入っても、この状況は続くだろう。現在、需要は非常に旺盛で、もっと半導体があれば、もっと速く成長できる可能性がある」と述べた。

同社は通期の純売上高を217億ー227億ユーロと予想。従来予想は206億ー218億ユーロだった。営業利益率の予想は10ー12%、従来予想は7-10%だった。

第2・四半期の営業利益は、比較可能なベースで6億8200万ユーロ(8億0851万ドル)。前年同期の4億2300万ユーロ、リフィニティブがまとめた市場予想の4億0800万ユーロを上回った。