[ロンドン 27日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は27日に改定した世界経済見通しで、英国の2021年の経済成長率見通しを7.0%とし、前回4月の見通しから1.7%ポイント引き上げた。米国と並ぶ水準で、引き上げ幅は主要国の中で最大だった。

ただ22年の英成長率は4.8%になるとし、0.3%ポイント下方修正した。

今回の改定で、IMFの21年と22年の英経済成長率見通しは、イングランド銀行(英中央銀行)が5月に示した見通しとほぼ同水準になった。

IMFのチーフエコノミスト、ギータ・ゴピナート氏は、英経済は新型コロナウイルス抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)にIMFの予想よりうまく対応し、2月から4月にかけて成長が加速したとし、今回の上方修正はこうした動きを反映したと説明。ただ、25年時点の英経済の規模は、新型コロナによるパンデミック(世界的大流行)前のIMF見通しより約3%小さくなるとの見方を示し、「これには欧州連合(EU)離脱も関与している」と述べた。

英経済は新型コロナ感染拡大で打撃を受け、20年の経済成長率は約マイナス10%と、約300年ぶりの大幅なマイナス成長に陥った。ただ現在は、成人の70%以上がワクチン接種を完了しており、感染力が強い新型コロナのデルタ変異株の拡散ペースも鈍化。スナク財務相はIMFの見通し改定を受け、「英経済が当初の予想より速く回復していることを示すプラスの兆候が出ている」と述べた。

ジョンソン首相も「英経済が予想より急速に回復している良好な兆候が出ている」と指摘。ただ「この先にまだ困難は待ち受けており、 政府は支援を継続する」と述べた。