[27日 ロイター] - 東京五輪で新競技に採用されたサーフィンは27日、男子決勝に進出した五十嵐カノアが銀メダルを獲得した。初代の金メダリストには世界ランク2位のイタロ・フェヘイラ(ブラジル)が輝いた。女子は都筑有夢路(つづき・あむろ)が銅を取った。

五十嵐は6.60点、フェヘイラは15.14点だった。大差をつけたフェヘイラが競技時間終了前に波に乗るのを止める中、五十嵐は逆転を目指して最後まで波に挑んだ。この日は台風8号が近づき、会場となった千葉県の釣ヶ崎海岸は波が荒れた。

五十嵐は試合後、「結果は目標に近かったが目標ではなかった。みんなの応援でメダルを取ったことは嬉しいが、もう少し欲しかった」と語った。

世界ランク6位の五十嵐は米カリフォルニア州サンタモニカ出身の23歳。両親の生まれた日本で行われる東京五輪で、初代王者になることを目標に掲げてきた。準決勝で世界ランク1位のガブリエウ・メジナ(ブラジル)を逆転で下したものの、金メダルには及ばなかった。

銅メダルは、オーウェン・ライト(豪)が獲得した。

五十嵐は、サーフィン愛好者だった両親がより良い環境を求めて1995年に米国へ移住。五十嵐は3歳でサーフィンを始め、9歳で米国のユースチームに参加。サーフィンのワールドカップ(W杯)と呼ばれるワールドサーフィンゲームスでは、今年と2018年に2位となっていた。

女子もこの日に準決勝と決勝が行われ、3位決定戦に回った都筑有夢路(つづき・あむろ)がキャロライン・マークス(米)を破り、銅メダルを獲得した。

神奈川県藤沢市で育った都築は、11歳のときに父からサーフィンを習った。15歳でプロとなり、17年から世界を転戦。19年には18歳以下の世界一大会で日本人として初優勝した。