[23日 ロイター] - <為替> ドル指数がやや上昇した。今週はリスク選好度が揺れ動く中、ボラティリティーが高まったが、ドルは週足では2週間連続で上昇した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は92.873と、やや上昇。週初からは0.1%上昇した。前週は0.6%上昇していた。

この日は米株高と米国債価格の下落などを受け、リスク選好が継続。一部アナリストの間ではドルの上昇は失速しつつあるとの見方も出ている。

ドルは6月に2.8%上昇。7月に入ってからは0.6%上昇した。

米10年債利回りは7月に入ってから18ベーシスポイント(bp)低下。1カ月の低下としては2020年3月以来の大きさになる可能性がある。

市場は27─28日の連邦公開市場委員会(FOMC)に注目。ネルソン氏は、連邦準備理事会(FRB)は金融政策正常化で他の主要中銀に遅れを取る可能性があるとの見方を示している。

ドルは対円で0.3%高の110.54円。

ユーロは対ドルで横ばいの1.1775ドル。IHSマークイットが発表した7月のユーロ圏の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値が60.6と、2000年7月以来の高水準となったが、相場はほとんど反応しなかった。

<債券> 来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に米債利回りが上昇した。FOMCでは米景気回復の力強さや経済刺激策の縮小開始時期について手掛かりが得られるとみられている。

10年債利回りは2.1ベーシスポイント(bp)上昇の1.288%。一時1.3%を上回った。30年債利回りは2.2bp上昇の1.925%。

みずほ証券の米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・リッチウト氏は、新型コロナウイルス変異株「デルタ」がロックダウン(都市封鎖)を引き起こし、経済鈍化につながるとの懸念が薄れたため、米債市場は売られ過ぎから買われ過ぎに転じ、均衡を求めていると述べた。

2年債利回りはほぼ変わらずの0.202%。2年債と10年債の利回り差は108.3bpだった。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.543%、10年物が2.332%だった。

<株式> 4日続伸し、主要3株価指数が終値ベースの過去最高値を更新した。好決算と経済回復の兆しが投資家のリスク選好度を高めた。

ダウ工業株30種は史上初の3万5000ドル台乗せとなった。

今週はグロース株とバリュー株が一進一退を繰り返した。投資家の見方が新型コロナウイルス変異株「デルタ」による感染再拡大と好調な企業業績や経済回復の兆しとで揺れ動いたことが背景。

市場関係者は来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)と一連の主要企業の決算に注目している。

S&P11セクターのうち、エネルギーを除く10セクターが上昇。通信サービスが2.7%高と上昇率トップだった。

第2・四半期の決算発表が本格化しており、S&P総合500種構成銘柄のうち120社が発表済みで、リフィニティブによると、その88%がコンセンサスを上回っているという。

アナリストによるS&P500構成銘柄の4─6月期の増益率予想は前年同期比78.1%と、期初の54%を大幅に上回っている。

個別銘柄では、米半導体大手インテルが5.3%安。22日に通期売上高予想を上方修正したが、これは第2・四半期が好調だったことや第3・四半期の見通しが市場予想をやや上回ったことが要因とみられ、第4・四半期の弱さを示唆した。

一方、米モデルナが7.8%高。欧州連合(EU)の医薬品規制当局、欧州医薬品庁(EMA)が23日、これまで18歳以上に接種が認められていたモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、12─17歳の青少年にも接種を認めるよう勧告した。

米クレジットカード大手アメリカン・エキスプレス(アメックス)は1.3%高。23日発表した第2・四半期(6月30日まで)の利益はアナリスト予想を大幅に上回った。

好決算を発表した米ツイッターと米スナップはそれぞれ3.0%、23.8%上昇。

両社の決算を受け、来週決算を発表する米フェイスブックも5.3%上昇した。

このほか、来週決算を発表する注目企業はテスラ、アップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、ロッキード・マーチン、ボーイング、フォード・モーター、ゼネラル・ダイナミクス、3M、キャタピラー、シェブロン、エクソン・モービルなど。

<金先物> 長期金利の上昇が重しとなり、反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比3.60ドル(0.20%)安の1オンス=1801.80ドル。週間では13.20ドル(0.73%)安と、5週ぶりの下落となった。 

米長期金利の指標となる10年物国債利回りが一時1.3%台に上昇。利子を生まない金塊の売りが活発化した。安値圏では、やや買い戻しが入ったものの、この日は新規材料に乏しく、テクニカル要因からの売りも出やすかった。市場の注目は、来週27、28両日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)に集まっている。

<米原油先物> 需給引き締まり観測を背景とした買いが優勢となり、4日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.16ドル(0.22 %)高の1バレル=72.07ドル。10月物は0.24ドル高の71.38ドルだった。新型コロナウイルスの変異株で、より感染力の強い「デルタ株」の世界的な広がりを懸念し、週初19日は7.5%急落した。ただ、その後は根強い需給引き締まり期待を支えに買い戻しが入り、前日までに下げ幅を一掃。週間では0.36%高となった。

この日朝は外国為替市場でドルがユーロに対して強含む中、原油先物の割高感を意識した売りが先行。しかし、世界的に在庫の圧縮傾向が続くとの見方が買いを促し、昼ごろからはもみ合いながら上昇に転じた。

ドル/円 NY終値 110.54/110.57

始値 110.47

高値 110.58

安値 110.4

ユーロ/ドル NY終値 1.1771/1.1775

始値 1.1763

高値 1.178

安値 1.1755

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 110*07.00 1.9229%

前営業日終値 110*22.50 1.9030%

10年債(指標銘柄) 17時05分 103*05.00 1.2813%

前営業日終値 103*09.50 1.2670%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*25.00 0.7134%

前営業日終値 100*25.25 0.7120%

2年債(指標銘柄) 16時34分 99*27.38 0.2001%

前営業日終値 99*27.25 0.2020%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 35061.55 +238.20 +0.68

前営業日終値 34823.35

ナスダック総合 14836.99 +152.39 +1.04

前営業日終値 14684.60

S&P総合500種 4411.79 +44.31 +1.01

前営業日終値 4367.48

COMEX金 8月限 1801.8 ‐3.6

前営業日終値 1805.4

COMEX銀 9月限 2523.3 ‐14.8

前営業日終値 2538.1

北海ブレント 9月限 74.10 +0.31

前営業日終値 73.79

米WTI先物 9月限 72.07 +0.16

前営業日終値 71.91

CRB商品指数 216.5967 +0.2612

前営業日終値 216.3355