[ワシントン 23日 ロイター] - IHSマークイットが23日に公表した7月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は59.7と、2カ月連続で緩やかに拡大した。第2・四半期は経済が力強く伸びた見込みだが、その後は供給網が混乱する中で経済活動が鈍化していることを示唆した。

6月の総合PMIは63.7だった。指数は50が景気拡大・縮小の節目となる。

経済が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって大打撃を受けた後、経済活動が再開し、企業は原材料と労働力の不足に直面している。これが物価圧力を押し上げている。PMI統計は、経済成長が第2・四半期に大規模な景気刺激策を背景に加速後、減速するとのエコノミストの見方と一致する。

内訳は、サービス業PMIが59.8と、6月の64.6から低下。5月に付けた過去最高値から一段と遠ざかった。市場予想は64.8だった。サービス業は米経済の3分の2超を占める。事業活動の鈍化を報告した調査先の企業は、労働力不足や在庫確保が困難なのを指摘した。一部の企業は販売価格が大幅に上がったことで顧客が購入を躊躇していると報告した。原材料と労働力の不足から生産費が上がる中、企業は価格上昇を買い手に転嫁している。

ただ、物価上昇がピークに近づいている兆しはある。仕入価格は7月に72.1と、6月の74.2から低下した。

サービス業活動が鈍化する一方、製造業は引き続き力強く伸びた。製造業PMIは63.1と、過去最高値を付けた。6月は62.1で、市場は7月は62.0まで低下すると予想していた。製造業は米経済の11.9%を占める。新規受注指数は上昇。雇用ペースが加速したにもかかわらず、製造業者は引き続き未完成品が積み上がっていると指摘した。供給業者が依然として、期日通りに納品することに苦戦している。