[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の当局者らは、新型コロナウイルスの感染動向が不透明なことから、9月の段階でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の先行きについて判断を下すことはない見通しだ。

前日の理事会では、先行きの政策指針である「フォワードガイダンス」を変更し、低金利をさらに長期間継続する姿勢を示したものの、PEPPについては現行の規模である1兆8500億ユーロを少なくとも2022年3月末まで行うと確認するにとどめた。

理事会の関係者らはPEPPに関して、次回9月の会合で議論が開始されたとしても、結論に至る可能性は低いと指摘。ラガルド総裁が感染力の強い新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」を回復のリスクと警告する中、次回の理事会までにデルタ株の流行が域内経済に及ぼす影響を見極めるのは時間的に難しいという。

ただ、10月もしくは12月になれば、学校が再開され感染動向も一段と把握できることから、PEPPを巡って決定が下される可能性も高まる。ECBの当局者らは、PEPPを性急に縮小した結果、わずか数週間後にはコロナ制限や市場の逼迫に直面し、再びPEPPを拡大せざるを得ない状況だけは避けたいと考えているもようだ。

ECBの報道官はコメントを控えた。