[ロンドン 23日 ロイター] - 米ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスワクチンについて、接種間隔を長めに空けたほうが抗体レベルが総じて高まることが、英国の研究で分かった。ただ、1回目の接種後に抗体がいったん大きく減少する。

新型コロナワクチンは、2回接種すれば感染力が強いデルタ株にも依然有効だが、1回接種の場合は効果が下がるとされている。

今回の研究はオックスフォード大学が主導し、医療従事者503人を対象に実施された。

研究者らは「接種間隔を長めにした場合、デルタ株に対する中和抗体の水準は1回目接種後にあまり上昇せず、2回目接種時まで維持されなかった」と指摘。ただ「2回目接種後の中和抗体の水準は、接種間隔が短い場合に比べて2倍高かった」とした。

中和抗体は新型コロナに対する免疫獲得に重要と考えられているが、T細胞も同様に重要な役割を果たす。

今回の研究では、接種間隔が3─4週間と比較的短い場合と比べ、長めに設定した場合はT細胞が全体として1.6倍少なくなることが分かった。ただ、長期的な免疫記憶を支える「ヘルパーT細胞」の割合は、接種間隔が長いほうが高くなることが示された。

研究者らは、いずれの接種間隔の場合でも、抗体とT細胞の強い反応が見られたと強調した。

今回の研究結果は、デルタ株に対する防御効果を得るためには2回の接種が必要だが、2回目の接種時期を遅らせることで、短期的には効果が下がるものの、より長期にわたる免疫を得られる可能性があることを示している。

共同研究責任者は、8週間程度の間隔が適度ではないかとの見方を示した。