[ボゴタ 21日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の米州事務局である汎米保健機構(PAHO)のエティエンヌ事務局長は21日、米州で新型コロナウイルスワクチン接種が進んでいない地域で感染が拡大し「未接種者のパンデミック(世界的大流行)」に直面していると警告し、一段のワクチン寄付を呼び掛けた。

エティエンヌ事務局長は「米州は未接種者のパンデミックに直面している。これを阻止する唯一の方法はワクチン接種の拡大だ。いかなるワクチンも100%有効ではないが、ワクチン接種は重要だ」と述べた。

その上で、中南米諸国で完全にワクチン接種を受けたのは全人口の15%にとどまっており、ホンジュラスやハイチなどでは1%にも達していないとし、十分な量のワクチンを確保した国に対し、必要としている国に直ちに提供するよう改めて呼び掛けた。

PAHOのバルボサ副事務局長によると、ワクチンの公平な分配を目指す国際的枠組み「COVAX」は7月末までに米州地域に370万回分のワクチンを提供する。寄付されたワクチンの配布を巡り、PAHOが米国と緊密に連携していることも明らかにした。

エティエンヌ事務局長によると、米州の先週の新規感染者数は96万7000人、感染による死者は2万2000人。多くの中米諸国のほか、カリブ海諸島で感染が拡大。キューバで感染者数と死者数の双方が急増しているほか、コロンビアとペルーのアマゾン川流域のホットスポット(一大感染地)の感染拡大はなお継続している。