[ワシントン 20日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のジェフリー・オカモト筆頭副専務理事は20日、各国に対し、景気支援策から成長推進に向けた政策改革に転換するよう呼び掛けた。

オカモト氏はIMFのウェブサイトに掲載されたブログへの投稿で、新型コロナウイルス感染拡大で一部の成長推進型の改革が遅延、もしくは頓挫したとし、こうした状況を転換させることは、パンデミック(世界的大流行)で失われた経済活動の回復の一助になると指摘。改革を実施することでリストラが加速されるほか、労働力と資本を将来性がある部門に振り向けることができるとの考えを示した。

その上で「現況を利用してこうした困難な改革を実施することは、現在実施されている金融・財政政策が、コロナ禍で弱体化した経済の『松葉杖』ではなく、より明るく持続力のある未来への『跳躍台』として機能することを意味している」とし、「この機会を逃さなければ、コロナ禍後に底堅い成長が何年も続き、生活水準も向上する」と述べた。

IMFは、労働市場や金融市場などで成長推進型の改革が実施されれば、新興国と発展途上国の1人当たりの年間国内総生産(GDP)は、向こう10年間で1%ポイント以上増加すると試算している。

オカモト氏は、こうした改革を進めれば、先進国の生活水準に近づくスピードはコロナ禍前と比べて2倍になると予想。改革を通して成長が押し上げられれば、貧困国は厳しい財政緊縮措置の導入を回避でき、将来への投資を実施しながら、社会・公共衛生への歳出を継続できるとの考えを示した。