[20日 ロイター] - 米国のシンクタンク「世界開発センター」は、インドについて、死亡数が平年を上回る「超過死亡」が、新型コロナウイルスの流行中に最大490万人に達した可能性があるとの報告書をまとめた。

報告書は、元インド政府首席経済顧問のアルビンド・スブラマニアン氏と共同で執筆した。新型コロナの流行が始まって以降、2021年6月までのあらゆる原因による死者が含まれている。

インドの新型コロナによる死者は、公式統計で41万4000人以上と、米国、ブラジルに次いで世界で3番目に多いが、専門家からは全国で死者数を徹底調査する必要があるとの声が高まっている。

報告書は「悲劇的なことだが、あまりにも多くの人々、数十万人ではなく、数百万人が亡くなっていた可能性があることは明らかだ」とし、新型コロナ流行期間中の超過死亡を340万ー490万人と推計した。

超過死亡の原因がすべて新型コロナだったとの判断は示していない。

ニューヨーク・タイムズ紙は、インドの死者は最も控えめに見積もっても60万人で、最悪のシナリオではその数倍に達すると報道。政府はこうした見方を否定している。

保健の専門家は、インドでは施設が乏しい農村部に人口の3分の2が住んでおり、検査を受けずに自宅で亡くなるケースも多いため、死者数は公式統計を上回ると指摘している。