2021/7/21

【観戦ガイド】2競技スタート。五輪が面白くなる今日の話

7月23日に開幕する東京五輪。それに先立って本日21日から、二つの競技が始まります。
NewsPicksは、引き続き感染状況などを注視しつつ、スポーツそのものは五輪開催の意思決定とは独立させて向き合おうと決めました。本日より、いまさら聞けない「観戦ガイド」を毎日お届けしていきます。
暗いニュースばかりが続く中、この祭典自体は日本のムードを明るくさせるに違いありません。もちろん、安易にメダルを喜ぶだけでなく、前提知識を持って楽しめればよいと思っています。

🗓今日の競技

  • 女子ソフトボール(予選リーグ)
    午前09:00~🇦🇺豪州vs🇯🇵日本
  • 女子サッカー(第一ラウンド)
    午後07:30~🇯🇵日本vs🇨🇦カナダ

注目競技①女子ソフトボール

2008年の北京五輪を最後に、競技種目から外れた女子ソフトボールですが、実は今回、「開催都市が提案できる追加競技」として復活します。
次回のパリ五輪はすでに不採用が決まっており、2028年のロサンゼルス五輪の採用も不透明です。つまり今回の東京五輪は、北京五輪の金メダルで多くの感動を生んだ女子ソフトボール日本代表を「五輪の舞台」で見られる、極めて貴重な機会になりそうなのです。
注目選手は投手・上野由岐子
ソフトボール日本代表の上野由岐子(写真:時事)
7月22日に39歳を迎える右腕は、世界最速とも謳われるストレートを武器に日本女子ソフトボール界を支えてきました。
北京五輪では準決勝から決勝までの3試合に登板し、2日間で計413球を完投。その活躍から、同年の流行語大賞で「上野413球」が審査員特別賞を受賞したほど、ソフトボール界のレジェンドでもあります。
現在は、かつてほどのスピードはないものの、多彩な変化球と、抜群のコントロールを武器に、中心的な役割を担い続けています。
日本代表の世界ランキングは2位。ちなみに、1位はアメリカ代表です。
2大会連続の金メダル獲得へ向けて、まずはランキング8位のオーストラリア代表と戦います。会場は、福島あづま球場。復興五輪の旗印となれるでしょうか。

注目競技②女子サッカー

女子サッカー日本代表、なでしこジャパン。2011年にW杯で優勝した際のイメージが強いかもしれませんが、ここ数年は苦しい時を過ごしています。
2011 FIFA 女子W杯で初優勝した、なでしこジャパン(写真:PanoramiC/アフロ)
前回大会のリオデジャネイロ五輪はアジア予選で敗退し、出場すらかなわず。雪辱を期した2019年のフランスW杯もベスト16で姿を消しました。
果たして、この東京オリンピックで再び王者へ返り咲けるか。鍵を握るのは2人の選手です。
世界一を達成した際、チームを率いたのはレジェンド・澤穂希でした。その3年前の北京五輪。史上初のベスト4進出を達成し、初のメダル獲得をかけたドイツ戦で、澤は
最後まで悔いなく走ろう。途中で苦しい場面もあるけど、そんなときは私の背中を見て
とチームメイトに言い切りました。
では、今大会を引っ張るのは誰か。実は、「2011年の偉業」を経験した2人の選手がいます。2017年からなでしこジャパンを主将として率いる熊谷紗希と、澤の背番号10を引き継いだ岩渕真奈です。
熊谷紗希選手(写真:AFP=時事)
熊谷は2011年のW杯優勝を知るメンバーであり、昨シーズンまで所属していたフランスのリヨンでは、欧州チャンピオンズリーグ(CL)で5連覇を経験するなど、圧倒的な実績を持ちます。
また、岩渕はイングランドの強豪アーセナルに加入したストライカーで、16歳から代表でプレーを続けています。
岩渕真奈(写真:時事)
二人の背中がどこまでチームをけん引できるか。選手の技術向上や地の利を含め、プラス要素もあります。
なお、金メダル候補はアメリカ代表です。
女子サッカーアメリカ代表(写真:AP/アフロ)
現在まで、実に公式戦44試合を連続無敗中で、その無敗期間に奪った得点はなんと146点。1試合平均3.3得点を奪っている計算となります。
そんな無双状態のアメリカを破るチームが現れるかも、今大会の注目点です。
本日のなでしこジャパン初戦相手は、フィジカルの強さを誇るカナダ。FIFAランキングは日本10位に対し、カナダ8位。グループリーグ突破をするうえで、勝利をつかみたいところです。
(文中敬称略)
*この観戦ガイドは明日以降も毎朝、その日の注目点をお届けしていきます。