[東京 13日 ロイター] - 麻生太郎財務相は13日、酒類の提供停止に応じない飲食店に取引金融機関から順守を働きかけてもらうための関係省庁の事前調整について「内閣官房から調整があったが、普通に考えたらおかしい」との認識を示した。金融機関からの働き掛けを巡って「検討中との報告を受けたが、違うんじゃないかと思った」との考えも併せて述べた。同日午前の閣議後会見で語った。

金融機関による働きかけを示唆した西村康稔経済再生担当相の発言に関しては「本来の趣旨を伝えることが十分できていなかった」とし、「飲食店を含む事業者融資について迅速かつ柔軟な対応を(金融機関に)要請しており、この方針に変わりない。融資を制限する趣旨は全くない」と強調した。

内閣官房と金融庁、財務省、経済産業省による事前調整に関し、麻生氏は「閣僚が最終判断する前に、課長補佐などの段階での事前の打ち合わせ」にすぎないとも述べた。事前調整を巡って「違うんじゃないか、放っておこうと思った」とも語った。

一方、国税庁と内閣官房が酒類業中央団体連絡協議会あてに、酒類の提供停止に応じない飲食店との取引停止を依頼する文書を出したことに関し、麻生財務相は「法的根拠は基本的にない。一般的なお願いであって強制力を伴うものではない。酒類販売事業者に丁寧に説明し、ご協力をお願いするものだ」とした。

会見では日銀が15、16日に開催する金融政策決定会合にも言及し、「議論の内容についてコメントすることはない」と述べた。「今後とも政府・日銀との間で気候変動に限らず適切に措置を講じていくため、綿密にやっていく」とも語った。

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