[香港 12日 ロイター] - 中国の反トラスト当局は、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)の楽曲配信部門テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループに対して、音楽レーベルの独占権を手放すことを命じる方針。事情に詳しい関係者2人が12日、ロイターに明らかにした。

また、テンセント・ミュージックが2016年に競合アプリ「Kugou」と「Kuwo」を買収した際、当局に適切な報告を怠ったとして、5万元(7万7150ドル)の罰金も科す方針。中国の独占禁止当局である国家市場監督管理総局(SAMR)によるテンセント・ミュージックへの調査の集大成になるという。

ロイターは4月に、SAMRがテンセント・ミュージックに「Kugou」と「Kuwo」を売却するよう指示したと報じた。ただ、関係筋が12日に明らかにしたところによると、同社はこれらのアプリを売却する必要はないという。

ロイターは4月に関係筋の話として、当局がインターネット大手を対象にした反競争的行為の取り締まりの一環として、テンセント・ホールディングスに罰金を科す方針を固めたと報じた。2人の関係者は、当局が少なくとも100億元の罰金支払いを命じる可能性があると述べていた。

SAMR、テンセント・ホールディングス、テンセント・ミュージックはロイターのコメントの要請に応じていない。

上海に拠点を置くDeBund法律事務所の弁護士、You Yunting氏は「個人的には、この処分は過少であり、テンセントにとっては好都合でさえあると思う。競合アプリの買収は明らかに市場での競争を制限するものであり、当局は阻止すべきだった」と指摘。「テンセント・ミュージックの支配的な市場シェアへの影響はかなり小さい」と述べた。

テンセントがこれ以上の反トラスト法上の罰則を受けるかどうかは明らかでない。