[東京 9日 ロイター] - 東京証券取引所は9日、現在、東証1部に上場している企業のうち、30.3%に当たる664社が新しい市場区分である「プライム市場」の上場基準を満たしていないと明らかにした。

上場企業全体では、3738社のうち25.8%に当たる965社が同市場の上場基準に抵触しているという。

東証は2022年4月4日に現在の第1部、第2部、東証マザーズ、ジャスダックの4つで構成される市場区分を「プライム市場」、「スタンダード市場」、「グロース市場」の3市場に集約する。

東証は市場区分に関して、上場基準の適合状況を試算のうえ、9日に各社に1次判定を通知した。

プライム市場では、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上などの基準を満たす必要があるほか、高度なガバナンスの取り組みが求められる。

東証の関係者は、市場再編の目的は上場会社の数を減らすことではなく、企業価値向上のためだと強調。上場基準を満たしていない企業でも、計画書での改善策を踏まえ、中長期的に検討していくという。

ニッセイ基礎研究所のチーフ株式ストラテジスト、井出真吾氏はプライム市場の上場基準に合わせようとすることによって生じる企業側のコストについて言及。「背伸びしてプライムにしがみつくのは、デメリットが大きいのでは」という。ただ、「日本のガバナンスは、遅々として進んでいるので、方向としては望ましい。5─10年かけてでも前に進めていった方がよい」との考えを示した。