[8日 ロイター] - 米フェイスブック(FB)のコンテンツを巡る決定が適切かどうかを判断する独立した第三者機関の「監視委員会」は8日、危険性のある個人や組織に関する規則の重要な適用除外指針をフェイスブックが3年にわたって「誤った場所に置いていた」と指摘した。

監視委は、少数派民族クルド人の武装組織「クルド労働者党(PKK)」の創設メンバーであるアブドラ・オカラン氏の独房監禁について語るよう人々に促す写真共有アプリ「インスタグラム」への投稿を巡り、フェイスブックの削除決定を覆したことを明らかにした。

監視委は、この投稿は削除されるべきではなかったとしつつ、監視委がこの件を取り上げた後になって、フェイスブックは内部規則の関連項目を2018年の新たな評価システムに「不注意にも移していなかった」ことを把握した、とも説明した。

この指針は、危険性があると認定した個人や組織を支援したり、称賛したりすることを禁じたフェイスブックの規則を巡り、監禁環境についての議論を容認する適用除外を設けていた。

フェイスブックは長年にわたり、プラットフォーム上で何が認められるのかを巡る疑念を受けており、監視委から規則を巡る透明性の欠如を指摘されている。監視委は、重要なポリシー適用除外をフェイスブックが今回見失っていたことは「懸念」され、その他の投稿も誤って削除されていた可能性がある、とした。

監視委は指針について、投獄されているオカラン氏の監禁環境への懸念が一因となって2017年に策定されたと説明した。

フェイスブックの広報担当者はポリシーが見失われた状況に関するロイターの質問に回答を避けた。

監視委はフェイスブックが指針を移していなかった経緯を見直しているとしつつ、指針が見失われていた間に何件のコンテンツが削除されたのか調べることは「技術的に実現可能」ではないと説明した。