[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、新型コロナウイルス変異株感染拡大に対する懸念からリスク通貨が売られ、安全通貨が買われる展開になった。

国債利回りが上昇し、株価が下落する中、外国為替市場ではユーロのほか、安全資産と見なされる円とスイスフランに買いが入り、ドルはこれらの通貨に対して下落した。

欧州中央銀行(ECB)はこの日、1年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を「2%」に変更。これまでの「2%に近いが、それを下回る水準」を改め、物価の一時的な上振れを容認する方針を示した。

これを受け、ユーロは当初の上げを維持し、終盤の取引で0.39%高の1.18365ドル。

ドルは対円で0.71%安の109.825円。円は一時109.535円と、6月11日以来の高値を付けた。

スイスフランは対ドルで0.9134フランと、6月17日以来の水準に上昇した。

主要6通貨に対するドル指数は0.297%安の92.493。

TDセキュリティーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は、世界的に新型コロナ変異株の感染が拡大していることで、経済成長が頓挫する恐れがあるとの懸念が高まっていると指摘。

いわゆるリスク通貨が売られ、豪ドルが対米ドルで0.78%下落し、昨年12月半ば以来の安値を更新したほか、ニュージーランドドルが1.08%下落した。

ドル/円 NY終値 109.79/109.82

始値 109.80

高値 109.86

安値 109.54

ユーロ/ドル NY終値 1.1842/1.1846

始値 1.1839

高値 1.1867

安値 1.1834