[北京 8日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は8日、電子商取引大手アリババ傘下の金融会社アント・グループに対する措置はその他の決済サービス企業にも発動されると表明した。

范一飛・副総裁は記者会見で「独占的行為はアント・グループだけでなく、その他の組織にも存在する」と指摘。措置は近いうちに明らかになると付け加えた。詳細については触れなかった。

中国では、債務不履行の増加や資産の劣化が不安視される中、銀行がアントなど第三者のプラットフォームを利用して融資を引き受けていることに対する懸念が浮上。中国政府は昨年11月、アントの株式上場を阻止した。

人民銀行をはじめとする規制当局は4月、アントに抜本的な事業再編を要求。金融持ち株会社に移行し、決済アプリ「アリペイ」と他の事業を切り離すよう求めた。

范副総裁は、中国の決済産業は過去数年、急ピッチで発展したが、「発展の際に独占と過剰な資本の拡大」があったと指摘した。

ロイターは昨年、人民銀行が決済市場で圧倒的なシェアを持つアリペイとウィーチャットペイについて、支配的地位を利用して競争を阻害しているとして、独占禁止当局に調査を要請したと報じた。

ウィーチャットペイを運営する騰訊控股(テンセント・ホールディングス)のコメントは取れていない。