[香港 8日 ロイター] - 複数の関係筋によると、中国の医療データグループ、リンクドック・テクノロジーが米国での新規株式公開(IPO)を棚上げした。

中国政府が海外上場に対する取り締まりを強化したことが背景。同社は最大2億1100万ドルの調達を目指していた。

リンクドックは医療データソリューションを提供。先月、米国でIPOを申請し、8日の米株式市場の取引終了後に公開価格を決定する予定だった。

中国政府は6日、海外市場に上場する中国企業の監視を強化すると発表。これを受け、米国上場の中国企業株が値下がりした。

中国サイバースペース管理局(CAC)は先週、ニューヨーク株式市場に上場したばかりの配車サービス大手、滴滴グローバルの調査を開始。それ以降、中国企業がIPOを棚上げしたことが明らかになったのは初めて。

関係筋によると、同社と投資家の双方が、規制を巡る不透明感に懸念を示したという。

同社のコメントは取れていない。

アナリストはリンクドックに追随する企業が出てくる公算が大きいが、米国でのIPO自体が禁止されているわけでなはいと指摘している。

華興証券のマクロ戦略調査部門を率いるブルース・パン氏は「米国でIPOを申請する企業は異なる規制当局からの更なる説明、より厳しい審査、事前承認を待たなければならないかもしれない」と述べた。

新たなルールにより海外での上場には一段と時間がかかるようになり、投資家心理が悪化し、米市場での公開価格が低下することで、資金調達がこれまでより難しくなる可能性があるとの見方を示した。