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[6日 ロイター] - 証券取引所のデータによると、海外投資家は6月にアジア株を2カ月連続で売り越した。インフレ圧力の高まりやアジア地域での新型コロナウイルス感染拡大でリスク選好度が低下した。

韓国、台湾、フィリピン、タイ、ベトナム、インドネシア、インドのアジア7カ国の証券取引所データによると、6月の外国人投資家による株式の売越額は7億2500万ドルだった。

1─6月は246億ドルの売り越しとなった。昨年下期は216億ドルの買い越しだった。

今年に入りアジアの株式市場は、堅調な欧米株式市場に遅れを取っている。コロナ感染の急増に加え、インフレ高進で予想より早期に米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動くとの懸念が高まっていることが背景にある。

HSBCのアジア株戦略部門の代表、Herald van der Linde氏は、今年の資金フローの変化は、アジア地域の企業の業績回復期待が後退したことを示しているわけではないとし、「債券利回りの上昇がアジア株を圧迫し、アジア株式市場から先進国の株式市場へ資金がシフトした」と分析した。

台湾と韓国からの資金流出が目立ち、売り越し額はそれぞれ、20億ドルと7億9500万ドルだった。タイ、ベトナム、フィリピンからも資金が流出した。

韓国では、コロナウイルスのデルタ株が広がり、感染者が急増、タイでもコロナ感染拡大が続いている。

一方、インド株は過去2カ月の売り越しから6月には24億ドルの買い越しに転じた。

ゴールドマン・サックスは、アジアの株式は米国株に対して30%近く割安だと指摘。米国株式市場の調整で今後はアジアなど米国以外の株式市場に資金が流れるとの見方を示している。

BNPパリバ・アセット・マネジメントのポール・サンドゥ氏は「アジア市場はファンダメンタル的に堅調を維持している。資金流出はリバランスによるものだ」と説明した。