The Supreme Court Throws Out A State Law Requiring Nonprofits To Name Rich Donors

コメント

注目のコメント

• 前嶋 和弘

  上智大学 総合グローバル学部教授（現代アメリカ政治外交）

  ・2021年07月04日

  「ダークマネー」規制を骨抜きにする判決。「ダークマネー」とは資金の出所が明らかにされていない支出のこと。非営利団体の一部（IRSの分類で501(c)(4)）は選挙に影響を与える可能性がある支出を行っても、これで引き続き開示義務はなし。カリフォルニア州の規制の話ですが、連邦最高裁なので当然他州にも影響。
  
  「指定の投票所以外での投票」と「票を投票所に運ぶ行為」を違憲とした最高裁判決と同じ日の同じく6対３の判決（日本の記事を待っていましたが見つからなかった形です）。いずれも大きな影響。
  
  ダークマネー・グループとスーパーPACの登場以降、通常の各候補の「通常の献金額」を比べることがむなしくなるレベルの変化。両者はいずれも2010年の判決で「合法化」され、基本は「陣営とは別であること」が証明されたら、「第三者」として候補を応援する「違憲広告」が無尽蔵に可能。
  
  ダークマネー・グループとスーパーPACは開示などの規制の違いはいくつかあります。ただ、どちらも兼ねていることもあります。
  
  ダークマネーにしろ、スーパーPACにしろ、判決は「献金（広告などに使う支出）」の「表現の自由」を担保するという考え。