[東京 25日 ロイター] - 日銀が25日に発表した1─3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産残高は3月末時点で1946兆円となり、前年に比べて7.1%増加した。現預金の増加や株価の値上がりが押し上げ要因となり、過去最高を更新した。

家計の金融資産のうち、「現金・預金」は前年比5.5%増の1056兆円。このうち、預金は956兆円で過去最高。新型コロナウイルスの感染拡大で外出や消費が手控えられ、増加傾向が続いている。「株式等」は32.1%増の195兆円、「投資信託」は33.9%増の84兆円。投信の残高は過去最高となった。

家計の金融資産残高は昨年12月末に比べて13兆円の増加にとどまった。日銀の担当者によると、12月がボーナス支給月のため、例年12月から翌年3月にかけて金融資産が減少する傾向にあるほか、日本の家計は株式保有比率が低く、株高でも金融資産の押し上げが限定的だった。

企業の金融資産も14.2%増の1247兆円で過去最高を更新。「現金・預金」が15.7%増の320兆円で過去最高となったほか、「株式等」は30.8%増の379兆円。

日銀の国債保有は542兆円で、過去最高となった昨年12月末よりも減った。残高に占める比率は44.5%で12月末の44.7%から低下した。一方、預金取扱機関の保有比率が14.2%から14.5%に上昇。コロナ対応特別オペの担保需要が旺盛だった。海外の保有額は160兆円で残高に占める比率は13.2%。